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原民喜の「夏の花」を読む

原民喜の「夏の花」を読む。
広島が原爆にて攻撃される前後を背景とした小説です。
この時期になりますと、戦争体験の継承が問題となります。75年も経ち、体験した人達も少なくなっています。つまり、自分の体験を直接語る人達がいなくなっていく。
大問題だとなるわけです。
私が子供の頃でしたら、叔父や近所のおじさん達が兵隊として、実際に体験した。彼らの口は隨分重いですが、それでも、聴くことが少しはできました。
ただ、思いかえしてみますと、私にとっての戦争体験の継承は、たとえば、この「夏の花」であったりします。
原爆前後の広島の情景や人々の心情を見事に描きだしています。
継承は、送り手と受け手が必要です。受け手が想像力豊かであれば、文学が送り手となってくれる、と私は思っています。
ですから、継承に問題が生じだしたというならば、それは、受け手の想像力の縮小にあるのではないか、そう思うのです。
多くの人達が、8月は「原民喜」を読む月と習慣化すれば、継承の問題は少しは減るかもしれません。